電源が入らない端末は、見た目では原因の見当がつきにくく、どこから手を付けるか悩ましい症状のひとつです。画面も映らず反応もないため、端末の状態を確かめる手がかりが少ないのも厄介なところです。Androidのスマートフォンでは特によくある症状で、今回は電源が入らなくなったXperia 5(SO-01M)の基板を、CPUリボールで起動まで復旧した事例をご紹介します。
症状・お預かり時の状態
| 機種 | Xperia 5(SO-01M) |
| 症状 | 電源が入らない。 |
| 経緯 | 自然故障 |
初期診断:まず何を測るか
電源が入らない症状では、まず起動時にどのように電流が流れるかを見ています。基板を細かく追いかける前に全体の動きを押さえておくと、どのあたりに原因がありそうか見当がつけやすくなります。今回もそこから始めました。
- バッテリーのコネクタにDC安定化電源をつなぎ、起動時の電流の推移を確認しました。
- 電流の流れから、CPU周りの断線を疑いました。Android端末ではよくある症状です。
- この結果をもとに、断線の解消を狙ってCPUリボールに着手すると判断しました。

処置内容
CPU周りの断線を疑ったため、CPUを基板から取り外し、リボールを行いました。リボールはCPUと基板をつなぐはんだのボールを作り直す作業です。手順は以下のとおりです。
- 元々ついていた古いはんだを除去し、クリーニングします。
- 新たにはんだを塗り、ボールを形成します。
- CPUを基板に取り付けます。
- 通電し、起動するかを確認します。


結果・動作確認項目
リボール後に通電したところ、無事に起動し、ロックNo.の入力画面まで表示されました。起動しただけで終わりにせず、基本的な動作もあわせて確認しています。ロック画面が出たときは、正直ほっとしました。確認した項目は以下のとおりです。
- 電源の起動
- 画面表示とタッチ操作
- 充電の認識
- 発熱と消費電流の推移

ご提案
電源が入らない症状は、Androidのスマートフォンではよくあるもので、今回のようにCPU周りの断線が原因となっていることがあります。CPUリボールは難易度の高い作業ですが、当店ではよく行っている作業で、だいたいの場合は復旧できています。起動時の電流の流れから見当をつけて、そのまま作業に着手できるのも基板修理ならではの進め方です。電源不良の端末でお困りの際は、ひとつの選択肢として基板側の確認も検討していただければと思います。
想定される依頼シーンとしては、①部品交換をしても電源が入らないAndroid端末の基板診断、②電源不良の端末について、基板側に原因があるかを先に確認しておきたい場合の2つが挙げられます。
診断のみのご依頼にも対応しており、当店ではiPhoneやAndroidのスマートフォンから、iPad・タブレット、Switch・PS5などのゲーム機、ノートPCまで幅広い機種の基板修理に対応しております。機種ごとに依頼先を分けることなく、基板修理の窓口を1社にまとめていただけます。今回のようなAndroid端末の電源不良も、まずはお気軽にご相談ください。
