2026/08/24

Xperia 1 IV 水没起動不良+作業中の基板破損|CPU・NAND移植でデータ復旧

エンドユーザー様が水没による起動不良で店舗にお持ち込みになり、店舗にて水没クリーニングの作業を進める中で、誤って基板の一部を破損させてしまった――このようなご相談は、部品交換修理をメインに行う店舗でも起こり得るトラブルです。今回ご紹介するのは、水没ダメージに加えて基板の一部が折れてしまったXperia 1 IVの事例です。入荷時点で破損は目視できていたものの、それが起動不良の直接原因かどうかは、水没ダメージを修復してからでなければ判断できない状態でした。当店がどの箇所をどう切り分け、最終的に同型ドナー端末へのCPU・NAND移植という判断に至った経緯を公開いたします。

症状・お預かり時の状態

機種Xperia 1 IV
症状エンドユーザー様の水没による起動不良。店舗での水没クリーニング作業中に誤って基板の一部が折れて破損
経緯入荷時点で基板の破損は確認できたが、起動不良の直接原因かどうかは水没ダメージの修復後でなければ判断できない状態。定石通りPMIC(電源管理IC)のショートを確認し交換するも起動せず。破損箇所自体もショートしており、削って導通を絶つ処置を試みるも改善しなかったため、同型ドナー端末へCPU・NANDを移植

初期診断:まず何を測るか

入荷時点で、イヤホンジャックコネクタ付近の実装パターンごと基板の一部が欠けているのは目視で確認できました。ただし水没端末は基板内の複数箇所で腐食やショートが同時多発的に起きていることが多く、この破損箇所が起動不良の直接原因かどうかは、水没によるダメージを一通り修復してからでなければ正確に判断できません。そこでまずは水没端末の定石として、PMIC(電源管理IC)まわりの導通をテスターで確認したところ、PMICがショートしている状態を確認しました。

原因の特定プロセス

  1. 入荷時、基板の破損箇所(イヤホンジャックコネクタ付近)を目視で確認。ただし起動不良への影響は水没ダメージの修復後でなければ判断できないと判断
  2. 定石通りPMIC(電源管理IC)まわりの導通をテスターで測定し、ショートの有無を確認
  3. PMIC単体のショートを特定し、交換用ICを用意して交換
  4. 交換後も起動しないため、破損箇所(基板欠け部)周辺の導通を再度測定したところ、破損箇所そのものがショートを起こしていることを確認
  5. 破損箇所を削って導通を絶つ処置を試みるも症状は改善せず、この基板上での修復は限界と判断

処置内容

  • PMIC(電源管理IC)の交換
  • 破損箇所を削り導通を絶つ処置(効果は見られず)
  • 同型機種のドナー端末を手配
  • ドナー基板へCPUとNAND(ストレージ)を移植

結果・動作確認項目

ドナー基板へのCPU・NAND移植後、正常に起動することを確認しました。なお、元の端末は基板以外の各部品(コネクタ類やフレキシブル基板など)にも水没によるダメージが広く及んでいたため、最終的にはドナー端末をベースに組み立てて納品しました。作業日数は受領から3日(同型ドナー端末の取り寄せに4~5日を要しました)。以下は店舗からエンドユーザー様へそのままご報告いただける動作確認項目です。

  • 起動・OS起動確認
  • ストレージ(NAND)内データの認識・読み出し
  • Wi-Fi・Bluetooth接続
  • バッテリー充電・放電

店舗へのご提案

今回のように、水没端末のクリーニング作業中に誤って基板の一部を破損させてしまうケースは、部品交換をメインに行う店舗でも起こり得るトラブルです。当店では、基板の破損状況がどれほど深刻であっても、CPUとNANDさえ生存していればデータ復旧の可能性を診断いたします。「作業中に割ってしまい、これはもう無理だろう」という個体についても、まずは診断のみのご依頼から承っております。iPhoneからAndroid・iPad・タブレット、ゲーム機、ノートPCまで幅広く対応しておりますので、お気軽にご相談ください。

「まずこの基板を見てもらえるか聞きたい」という段階でもかまいません。症状や基板の写真を添えて、LINEからそのままご相談いただけます。

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