ご申告の症状と、実際にお預かりした端末の症状が異なるケースは、切り分けの段階で悩ましいところです。今回は、起動不良としてご依頼いただいた iPad Pro 11inch 第4世代が、実際には充電不良で、もともとの充電回路の故障に加えて、分解時にコネクタ周りのチップが破損してしまっていた事例をご紹介します。
症状・お預かり時の状態
| 機種 | iPad Pro 11inch 第4世代 |
| 症状 | 申告は起動不良だったが、実際は充電不良 |
| 経緯 | 故障に至った経緯は不明で、基板側の診断からのご依頼 |
初期診断:まず何を測るか
お預かりした端末は、ご申告の起動不良ではなく、充電ができない状態でした。そこで充電回路とコネクタ周りの状態を順に確認しました。
- テスターで充電回路の電圧と導通を測定し、充電回路が故障していることを確認しました。
- コネクタ周りを目視で確認し、チップが破損していることを確認しました。

処置内容
診断結果をもとに、充電回路とコネクタ周りの両方に処置を行いました。
- 充電回路のUSB Type-C制御IC(タイプCコントローラIC)を交換しました。
- コネクタ周りにコンデンサやダイオードを取り付けました。
- 剥がれていたパターンを修復しました。



結果・動作確認項目
処置後に充電を行い、充電中の表示と画面の表示を確認しました。画面に充電アイコンが表示されたのを見たときは、ようやく肩の力が抜けました。
- 充電中の表示(バッテリー20%+充電アイコン)を確認
- 画面が表示されることを確認

ご提案
今回の事例のように、ご申告は起動不良でも、実際には充電不良であるケースがあります。また、分解作業中にコネクタ周りを損傷してしまった場合でも、パターン修復まで含めた基板修理で対応できることがあります。
想定される依頼シーンとしては、①申告は起動不良でも、基板側の充電回路の故障が疑われるiPad・タブレット、②分解作業中にコネクタ周りのチップやパターンを損傷してしまった端末の2つが挙げられます。
診断のみのご依頼にも対応しており、当店ではiPhoneやAndroidのスマートフォンから、iPad・タブレット、Switch・PS5などのゲーム機、ノートPCまで幅広い機種の基板修理に対応しております。機種ごとに依頼先を分けることなく、基板修理の窓口を1社にまとめていただけます。

