電源が入らないという症状は、画面もつかず端末側から得られる情報がほとんどないため、原因の見当をつけにくいトラブルのひとつです。今回は、使用中に急に電源が落ちて起動しなくなった iPad Air 11inch(M2)A2902 の事例をご紹介します。原因は充電回路のICのショートでした。
症状・お預かり時の状態
| 機種 | iPad Air 11inch(M2) |
| 症状 | 電源が入らない。 |
| 経緯 | 使用中に急に電源が落ち、以降起動しない状態 |
使用中に急に電源が落ち、そのまま起動しなくなった自然故障でのお預かりです。まずは分解前にできる確認から進めていきました。
初期診断:まず何を測るか
電源が入らない端末は、基板を開ける前にドックコネクターのチェッカーで外から測れるところを確認しました。
- 分解前に、ドックコネクターのチェッカー(USB Type-Cの各端子の値を自動で測るテスター)で測定。この時点で、一部のレールがショートしていることが分かりました。
- 基板を取り出して実際に確認し、チェッカーの結果どおりショートしていることを確認しました。
- 通電したときの発熱を確認し、充電回路のICがショートしていることを特定しました。



処置内容
原因がショートしていたICと特定できたので、そのICを交換しました。
- ショートしていた充電回路のICを基板から取り外しました。
- 交換用のICに載せ替えました。
- 交換後、あらためてチェッカーで各端子の値を確認しました。



結果・動作確認項目
ショート解消後、以下の項目を確認し、無事に作業完了となりました。
- チェッカーで全項目が正常値を表示
- 充電ケーブル接続で充電中の表示(14%・充電アイコン)
- 画面表示(設定画面)
チェッカーの表示がすべて正常値に変わったときは、正直ほっとしました。


ご提案
今回は症状が電源不良でしたが、原因は充電回路のICのショートでした。ドックコネクターのチェッカーを使うと分解前の段階でレールの異常が分かるため、基板を開ける前にある程度の目星をつけたうえで作業に入ることができます。
想定される依頼シーンとしては、①使用中に急に電源が落ちて起動しなくなった端末、②充電ケーブルを接続しても反応がない端末の2つが挙げられます。
診断のみのご依頼にも対応しており、当店ではiPhoneやAndroidのスマートフォンから、iPad・タブレット、Switch・PS5などのゲーム機、ノートPCまで幅広い機種の基板修理に対応しております。機種ごとに依頼先を分ける必要がなく、基板修理の窓口を1社にまとめていただけます。
