「電源が入らない」という症状は、基板上で原因を突き止めるまで修理の見通しが立てにくく、悩ましいものです。今回は、iPad Air 11inch(M2)A2903の電源不良について、メイン電源のショートを特定し、ショートしていたコンデンサを除去して復旧した事例をご紹介します。内容自体はよくある故障ですが、iPadの基板は所々がシールドで覆われており、ショート箇所を探すのに手間がかかります。今回はショート箇所がシールドの隙間からギリギリ見える位置にあり、運が良かったケースでした。
症状・お預かり時の状態
| 機種 | iPad Air 11inch(M2) |
| 症状 | 電源が入らない。 |
| 経緯 | 自然故障 |
自然故障により電源が入らなくなった状態でのお預かりです。まずは通常の手順で、電源まわりの状態を確認していきました。
初期診断:まず何を測るか
電源が入らない症状では、まず給電時の電流から確認します。今回も通常の手順で、ショート箇所の特定を進めました。
- バッテリーのコネクタを外し、DC安定化電源から給電して電流を確認しました。
- テスターで抵抗値を確認しました。iPadの基板は所々がシールドで覆われているため、ショート箇所を探すにはシールドを取る手間がかかります。
- 通電時の発熱を確認し、メイン電源のショート箇所を特定しました。今回はショートしていたコンデンサがシールドの隙間からギリギリ見える位置にあり、運が良かったです。


処置内容
特定したショート箇所に対して、次の処置を行いました。
- ショートしていたコンデンサを除去しました。
- 新品は実装せず、除去のみで対応しました。

結果・動作確認項目
ショート解消後、以下の項目を確認しました。想定どおり画面が表示されたときは、ほっとしました。
- 電源の起動
- 画面表示とタッチ操作
- 充電の認識
- 発熱と消費電流の推移

ご提案
メイン電源のショート自体はよくある故障ですが、iPadの基板は所々がシールドで覆われているため、ショート箇所の特定に手間がかかることがあります。今回はシールドの隙間から確認できる位置だったため、運が良かった事例でした。
想定される依頼シーンとしては、①電源が入らないiPadで、基板上のショート箇所の特定が必要な場合、②シールドに覆われた基板で、ショート箇所の探索に手間がかかる場合の2つが挙げられます。
診断のみのご依頼にも対応しており、当店ではiPhoneやAndroidのスマートフォンから、iPad・タブレット、Switch・PS5などのゲーム機、ノートPCまで幅広い機種の基板修理に対応しております。機種ごとに依頼先を分けることなく、基板修理の窓口を1社にまとめていただけます。
